急性、滲出性中耳炎は鼻、のどにある細菌やウイルスが耳管を通って鼓膜裏側の部屋の中耳腔に感染する為におこります。
経過の良い時は早期に中耳腔の細菌、ウイルスは消失し中耳炎は治ります。
投薬、処置などの治療効果が不十分で中耳腔に膿・滲出液などの内容物が長い間残ると以下の様な様々な問題が生じてきます。
①難聴を起こす。
②中耳腔にたまった膿・滲出液の中にある細菌が空気(酸素)に触れない状態が長く続くと細菌の病原性が強くなる。
③細菌が抗生剤に強くなり抗生剤の効果のない耐性菌に変わる。
④膿・滲出液などの内容物の粘度が高くなり(ベとべとになる)ますます排出され難くなる。
以上の状態が長期間(数か月から数年)続くと下記の様な変化も生じてきます。
⑤鼓膜が薄く弱くなる。
⑥鼓膜が裏から引っ張られる為、鼓膜全体が内側に陥凹して鼓膜が後ろの壁に癒着してくる。
⑦さらに鼓膜の裏に付き、鼓膜から内耳まで音を伝える役目の耳小骨が変形をおこす。
⑧耳小骨の変形や鼓膜の癒着を起こすと難聴などの後遺症が残る。
鼓膜切開を行い中耳腔にある細菌を含む膿・滲出液を吸引し取り除くことにより中耳腔の空気の出入りは良くなり治癒を早くすることが出ます。